人間としてもう駄目

美味いものだけ食って早く死にたいけど推しの為に生きてる

父親の浮気


物騒なタイトルである程度察しがついていると思うがまた愚痴である。

私は割と嫌なことは溜め込む方で、あれこれ悩んだあとにその悩んだ自分を思い返しながら文字を書くことが多いのだが、今回はほんの数分前に起こったことを頭の中の整理がつかない状態で書かせてもらいたいと思っている。吐き出さないと気が狂いそうなので、いつもより更に散文になるかとは思うがご了承いただきたい。


父親が浮気しているらしい。

…と言っても、別に父親本人から「浮気してるんだ」と聞いたわけではない。ついでにいうと私の両親は離婚している。離婚しているのに何故浮気?と聞かれると思うが、一応父親は再婚を望んでいるかつわたしと母の家にちょくちょく来ては父親面している状態で他の女がいるようなので「浮気」と書かせてもらっている。


最初のきっかけは9月中旬。父の仕事鞄を開けた時だった。

仕事から家に来た父は、シャワーを浴びたいと玄関から風呂場へ直行して行った。シャワーを浴びるのは別に構わなかったので、私も母も特に気にしなかった。

その時に父の鞄からスマホの着信音が鳴ったのだ。おそらく誰かから電話が来たのだろう。仕事の電話だったら困るだろうから、風呂場までスマホを持っていこうと私は鞄を開けた。

鞄の中はごちゃごちゃとしていた。父は整理が苦手だった。仕事着の着替え、弁当箱と水筒、財布。そしてスマホは鞄の奥の方で光っていた。腕を突っ込んで引っ張りだす。その時にスマホと一緒に私は何枚かの小さな紙を掴んでいた。

非常に驚いたのを覚えている。着信に震えながら光るスマホと一緒に出てきたのは、ラブホテルのスタンプカードや名刺のような紙だった。

まさかと思った。

なぜ、と思った。

そして、母には絶対に見せられないと思った。


母は心配性の人間だ。それに今は失語(これに関しては過去記事を読んでいただきたい)で過度にストレスが溜まっている。余計な心労を増やすわけにはいかないという考えのプロセスが瞬時に頭をかけめぐった。

私は母に見られないうちに急いで紙を鞄の奥底に突っ込み、スマホを持って父のいる風呂場まで歩いた。

父にスマホを渡す瞬間、不審がられないか内心不安でいっぱいだった。

本当はあの紙はなんだと聞きたかった。母がいながら、再婚したいと言いながら浮気しているのかと糾弾したかった。

だけど今家には母がいる。母を不安にさせるわけにはいかない。ストレスで脳梗塞になったなんて言われているのに、更にストレスがかかったら今度こそ死んでしまいそうだ。

それに、浮気がバレた瞬間に父はこの家から逃げるような気がした。逃げてもう二度と戻ってこない気がした。

悔しいが私はまだ学生だ。母と二人で残されて、父の援助が無くなるのは痛い。家計的に非常に痛い。

今ここで騒ぎにして、この現状を壊すのが怖くて、私は黙って父にスマホを渡した。


それが、浮気してるらしいと思った最初の出来事。


次の出来事はさっき起こった話だ。

ここまで書いて、少しだけ気持ちが落ち着いてきた気がする。


私の父親は機械に弱い。

新しい物が好きな癖して、パソコンはキーボードすら指一本で打つような人間だ。

そんな人間が、スマホなんて満足に扱えるわけもなく。

一昨日、「壊れた」と言って私の元にスマホを持ってきたのは今年に入って3回目だった。

毎度毎度原因を調べつつデータのバックアップなどをしていた私だが、今回の壊れ具合は酷く、仕方なく修理センターに連絡した。

幸い保険に入っていたらしく、明後日には代替機が届きますよと電話の向こうで受付のお姉さんが優しく言った。


そうして新しいスマホが届いたのが、今日。

データの引き継ぎができない、と言ってきた父に、私はいい加減覚えろと半分怒りながら引き継ぎを行った。

日頃のバックアップのおかげか、写真や電話帳などはすぐにデータが復旧した。

ただ、LINEはログインにパスワードが必要で、そのパスワードを父は忘れていたから再設定が必要だった。


私は父に再設定ができるなどとは思ってなかったので、勝手にやらせてもらうことにした。再設定したパスワードは後でメールで送って、やり方を指示して父の覚えやすいパスワードに後から変えてもらえばいいだろうと考えていた。

Google PlayストアからLINEをインストールして、メアドを入力してパスワードを再設定する。

動作としては簡単なことだ。

ただ、私はこんなこともできないなんて、と父にイライラしていたから指先が焦っていた。

焦っている時というのは何かしらのミスをするものだ。

案の定、私はストアではなく、隣のアルバムをタッチしていた。


その時、父はトイレに行っていた。

母はもう眠いからと、布団で眠っていた。

私は心底、二人がいなくてよかったと思った。


データを引き継いだ父のアルバムには、知らない女性の大量の女性器と口淫の写真が保存してあった。


思わずアルバムを閉じた。スライドして、アプリを終了させた。

後ろを振り返る。誰もいない。

当たり前だ。父はトイレに行ったばかり、母はとっくに寝室で寝ている。リビングにいるのは私だけだ。

それでも確認せずにはいられなかった。

何かとてもとても重い鈍器で、横から頭をぶん殴られた気がした。


その後の記憶はぼんやりとしている。

ただLINEの復旧作業をした時、父の友だち欄にいたアイコンの一人の女性の顔が、そのアルバムにいた知らない女性の顔と似ている気がした。

目眩がしたし、心臓がバクバクしていたことはよく覚えている。今も少しクラクラしている中でこれを書いている。

深夜だったから父も眠かったのか、私の様子がおかしいことには気がついていないようだった。私はこれ幸いと「データの引き継ぎはできてるはずだから後で確認して、あと充電忘れずに」とだけ言って自分の部屋まで小走りで帰った。


それがさっきの話だ。今の話だ。

頭が混乱してどうすればいいのかわからずに自分の部屋にいる。

私は父を糾弾すべきなのだろうか。何故他の女がいながら母に再婚したいと言うのだと責めるべきなのだろうか。

母には話せない。さっきも書いたが、こんなこと話したら死んでしまうと思う。

兄に相談すべきかと思ったが、兄はもう家を出ている身だ。それに兄と父は相性が悪くいつも喧嘩していた。兄が絡んだら問題がややこしくなりそうだ。

こんなこと友達に相談できるはずがない。


でも今すぐ父を問い詰めれば、絶対に母にはバレる。何より父の家賃援助がなければ、私と母は今この家に住めていないし、そもそも私は大学に通う金が本当になくなってしまう。


どうすればいいんだろうか。

私はどうするべきなんだろうか。

悩みながら書いていたら、もう一時間立ってしまった。

そんな深夜の、頭の痛い悩みの話だ。